ペットとして人気の高いゴールデンハムスター。その愛らしい姿からは想像できない、実は過酷な自然環境の中で生き抜いてきた小さな生命体なのです。
今回は、ゴールデンハムスターの生息地や環境、生活リズム、天敵からの防御術など、その生態の実態に迫ります。
目次
1:生息地について
2:ゴールデンハムスターの天敵と生活リズム
3:ゴールデンハムスターとの接し方
ゴールデンハムスターの生息地
ゴールデンハムスターは、シリア、トルコ、レバノン、イスラエルなどの中東地中海沿岸一帯の乾燥地域が生息地です。この地域は年間を通して雨量が少なく、地中海性気候に属しています。冬は温暖で温かく、気温は0~18度で雨の日が多いです。一方、夏場は酷暑と長期の乾燥が特徴で、気温は40度を超えることもあります。
ゴールデンハムスターの天敵と生活リズム
中東一帯には、カラカル、アラビアオオカミ、ハヤブサなど、ゴールデンハムスターにとって天敵となる肉食獣や猛禽類が多数生息しています。この脅威から身を守るために、ゴールデンハムスターは地下に巧みに掘られた巣穴の中で日々を過ごします。巣穴は地下2mほどの深さに作られ、中には9mにも及ぶ巣が発見された例もあります。
夜になると、巣穴の外に出て餌を探します。野生のゴールデンハムスターは、果実や木の実、昆虫などを食べる雑食性です。しかし、ハイエナやアカギツネといった夜行性の肉食獣からの危険もまた存在します。生存競争は並々ならぬ過酷さを伴います。
近年は、農地の害獣として、人間によって駆除されることや、中東情勢の悪化で、野生のゴールデンハムスターの個体数は2000匹程度にまで減少しています。このまま減り続ければ、遠くない将来に絶滅してしまう恐れもあり、国際自然保護連合のレッドリストにも「絶滅危惧種」としてリストアップされる深刻な状況に陥っています。
ゴールデンハムスターとの接し方
ゴールデンハムスターには温厚で人懐っこい一面もあります。飼育下においては、最初は警戒心が強く攻撃的になることもありますが、徐々に人に馴れてくると、飼い主の手のにおいをくんくんと嗅いだり、手のひらに乗ろうとするなど、愛らしい仕草を見せてくれます。しかし、縄張り意識が強いためか、他のハムスターと一緒に飼うと喧嘩になり、時に相手を殺してしまうケースもあるので、単独飼育が推奨されています。